生命にとって必要不可欠なのに、体内では作り出せないミネラル。カルシウム(Ca)や鉄(Fe)などがよく知られていますが、私たちの体には、他にもこんなにたくさんのミネラルがあって、それぞれ大切な働きをしています。
●その他にチタン/アルミニウム/バリウム/タングステンなどがあります。
上にあげたミネラルの多い食品を見ると、ひじきの煮物やイワシの丸干し、そうれんそうのゴマ和え、納豆、わかめと豆腐の味噌汁といった日本の伝統的なおかずが実はミネラルを取り入れるために大変優れた食事たということが分かるでしょう。
火山灰が多く、山がちで土の栄養分が流れやすい日本の土壌には、もともと他国と比べ、ミネラル分が不足しています。昔の人の知恵は素晴らしいものです。ミネラルというものはしらなくても、知らず知らずのうちに不足しがちなこの栄養素を補うために、食事を工夫し、こうしたミネラル豊富な伝統食を生みだしたのでしょう。
ところがその食事の内容が、ここ数十年の間に、伝統的な日本食から欧米食へと変化してきました。さらに化学肥料や農薬の使用によって、土壌のミネラルはどんどん失われています。もともと不足していたミネラルがさらに減少しているのです。
このように現代の食卓では、ほうっておけばミネラルは不足してしまいます。