最近ではペットボトル入りの「ミネラルウォーター」が、私たちの暮らしにすっかり浸透しています。でも「ミネラルウォーター」の「ミネラル」って、そもそもいったいどんなものなのでしょう。
地球上にふりそそいだ雨水は、岩肌や地面から深く地中へとしみこんでいきます。やがて湧水や清流、下水となって再び地表に姿を現したとき、この水には天然の鉱物の成分が溶け出しています。この天然の鉱物の成分を豊かに含む水、それが自然の「ミネラルウォーター」です。そしてその成分が「ミネラル」なのです。
「ミネラル」を含んで水は、河川を通じて最終的には海へと流れつきます。太陽に温められた海面からは、水蒸気が蒸発して海はまるでスープのようにミネラルをたっぷりと含むようになります。
この豊富なミネラルは海に棲む魚貝や海藻にとりこまれます。それをもっと大きな生物たちが食べ、彼らが死んでミネラルは再び地面へと返っていくのです。そしてそれをまた雨水が溶かし出していく――。
ミネラルは水とともに、こうして自然界を常に循環しています。
ミネラルは私たちの体にも
地球上の70%は海におおわれています。人間の体も同じようにその70%が水でできていることをご存知ですか?
さらに海のミネラル成分と人間の体液のミネラル成分と比べてみると、驚いたことにその比率はほぼ同じになります。私たちの体もまた、海と同じようにミネラルを有しているのです。
もともと「海」という字は、「(人)の「母」なる(水)」という3つの部分でできています。太古の生命を生んだ海水と、胎児を育む母親の羊水が同じミネラルバランスを持つのも不思議ではないのかもしれませんね。
「ミネラル」はまた、炭水化物やタンパク質、脂肪、ビタミンに並ぶ五大栄養素のひとつ。微量でも体内でさまざまに働き、生命になくてなならないものです。にもかかわらず、体の中では作り出すことができません。
―――――それが「ミネラル」なのです。